
院長:長田お気軽にご相談ください!

院長:長田お気軽にご相談ください!
お子さんの背中が気になって、思わずスマホで調べてしまった……そんな経験のある親御さん、きっと多いのではないでしょうか。学校の健診で「側弯症の疑い」と書かれた通知が届いたとき、まず「自分の目で確かめたい」と思うのは自然なことです。


今回は、思春期特発性側弯症について、自宅でできる前かがみチェックの方法から、チェック後に取るべき行動、そして「足元から整える」という見落とされがちなアプローチまで、丁寧にお伝えしていきます。
健診で指摘されたからといって、すぐに深刻な状態だと決まったわけではありません。でも、「様子見でいいかな」と一人で抱え込んでいると、どんどん不安だけが大きくなってしまいます。


2人の娘を持つ父親として、健診の通知というのは親御さんの胸にグッとくるものがあると思います。正しい知識があれば、不安は具体的な行動に変えられます。一緒に確認していきましょう
脊柱側弯症とは、背骨が左右にS字やC字に曲がってしまう状態のことです。
原因が特定できないものを「特発性」と呼び、その中でも10代の成長期に発症するタイプが「思春期特発性側弯症」にあたります。発症する割合は思春期の子どもの約2〜3%と言われており、決してまれなことではありません。
特徴的なのは、男子よりも女子に約7倍多く見られるという点です。身長が急激に伸びる時期と重なるため、成長とともに進行するリスクが高まります。早い段階で気づいてあげることが、その後の経過を大きく左右します。
多くの場合、初期には本人にも自覚症状がほとんどありません。
痛みや不快感が出にくいため、健診や親御さんの観察がきっかけで初めて発覚することがほとんどです。「なんとなく肩の高さが違う気がする」「服を着せているときに背中が歪んで見えた」という経験はありませんか。
学校の健診で行われる「アダムス前屈テスト」は、実は自宅でも再現できます。特別な道具は一切不要です。お子さんと2人でできるシンプルなチェックなので、ぜひ今夜試してみてください。チェックの手順と確認ポイントを順にご説明します。
まず、お子さんに足をそろえてまっすぐ立ってもらいます。次に、腕を自然に下げたまま、ゆっくりと前に体を倒してもらいます。このとき膝を曲げずに、手の平を合わせて床に向けて下げていくのが正しい姿勢です。
親御さんはお子さんの後ろにしゃがみ、目線を背中と水平になるくらいの高さに合わせます。そのまま背中の左右を比べてみてください。肋骨(あばら骨)の高さに左右差がある場合、背骨が回旋している可能性があります。
背中の片側だけ盛り上がって見える状態(リブハンプ)が確認できた場合は、早めに専門家に相談することをおすすめします。見た目には軽く見えても、背骨の回旋が起きているサインである場合があるからです。
前かがみチェックと同時に、普通に立った状態でも観察してみましょう。
左右の肩の高さが違わないか、ウエストのくびれの深さに左右差がないか、背骨のラインが一直線に見えるかどうかを確認します。できれば薄着か上半身を出した状態でチェックすると、より正確に観察できます。
もうひとつ見てほしいのが、足のアーチと体重のかかり方です。かかとが外側に傾いていたり、土踏まずが落ちていたりしませんか。足元の歪みは骨盤や背骨のバランスに直接影響するため、背中だけでなく足元も一緒に確認することが大切です。
側弯症というと「背骨の問題」と思われがちですが、背骨を支えているのは骨盤であり、骨盤を支えているのは股関節・膝・足首・足のアーチという下半身全体です。
つまり、足元のアライメント(骨格の配列)が崩れていると、その歪みが連鎖的に上方へ伝わり、背骨に余計な負荷をかけることになります。
たとえば、足のアーチが低下した「扁平足」の状態では、かかとが内側に倒れやすくなります。するとすねが内旋し、膝が内側に入り、骨盤が傾き、背骨のバランスが崩れるという連鎖が起きます。
側弯症の子どもを診ていると、足元のアライメント不良を同時に抱えているケースが非常に多いと感じています。「背骨が曲がっているから背骨だけを矯正する」というアプローチには限界があります。
根本的な支持構造である足元から整えることで、背骨への負担を減らし、姿勢改善の効果をより引き出せると考えています。これが当院で側弯症のお子さんに対して足元からのアプローチを重視している理由です。
当院ではカイロプラクティック施術と並行して、フランスのSIDAS社が開発したシステムによるオーダーメイドインソールの作成を行っています。
足の形や体重のかかり方を計測し、その方専用のインソールを作ることで、足元から骨格のバランスを整えます。成長期のお子さんにとって、足元の土台をしっかり作ることは、背骨への余計なストレスを減らすうえで非常に効果的です。
インソールはスニーカーや通学靴に入れて普段から使えるため、特別な運動をしなくても日常生活の中でアプローチを続けられます。部活動でスポーツをしているお子さんには、競技シューズ用のインソール作成にも対応しています。
前かがみチェックで背中の左右差が気になった場合、まず焦らないことが大切です。側弯症の疑いがあっても、すぐに手術が必要になるケースはごくまれです。ただし、「経過観察で大丈夫」と言われた後も、何もしないまま放置するのはおすすめできません。
側弯症は成長期のあいだ、つまり身長が伸びている期間は進行するリスクが続きます。弯曲の角度が20度未満の軽度であれば定期観察が基本ですが、その間も姿勢の習慣や体幹・足元のバランスを整えることで、進行を緩やかにできる可能性があります。
まずは整形外科でレントゲン撮影を受け、弯曲の角度(コブ角)を測定してもらうことが最優先です。角度の数値によって対応方針が変わります。
20〜40度の中等度では専用コルセットによる保存療法が検討されることが多く、40度を超えると外科的な手術が選択肢に入るケースもあるため、早めの測定と定期的なフォローが重要です。
整形外科での診断を受けたうえで、カイロプラクティックや運動療法を並行して取り入れることも有効な選択肢です。「病院では経過観察と言われたけれど、何かできることをしたい」というご相談は、当院でも多く受けています。
当院での施術は、まず全身の姿勢評価から始めます。立った状態・座った状態・前屈した状態での体の歪みを丁寧に確認し、足元のアライメントも合わせて評価します。
その後、背骨や骨盤へのカイロプラクティックアジャストメント(矯正)と、硬くなった筋膜へのリリースを組み合わせた施術を行います。
お子さんが初めて来院されるときは、緊張もあるかと思います。施術の前には必ずお子さん本人にも内容を説明し、安心して受けてもらえるよう心がけています。親御さんにも施術中ご一緒いただけますので、遠慮なくおっしゃってください。
思春期の側弯症で最も怖いのは、「まだ様子を見よう」という時間の経過です。成長とともに弯曲が進んでしまうと、後から対応できることの選択肢が狭まってしまいます。早めに気づいて専門家に相談することが、お子さんの将来の体を守る最善の手段です。
学校の健診はあくまでスクリーニング(ふるいわけ)です。「疑い」と書かれていても問題がない場合もありますし、「異常なし」でも見逃されているケースがゼロとは言えません。
だからこそ、親御さんが日常の中でお子さんの体に目を向けることがとても大切なのです。健診の通知を見て「どうすればいい?」と迷っているなら、そのまま一人で悩み続けるよりも、まず専門家に話を聞いてもらうことをおすすめします。
背骨の状態だけでなく、足元のバランスまで含めて総合的に診る視点を持って、しっかりとお話を聞かせていただきます。何か気になることがあれば、どうかいつでもご相談ください。

